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2011/03/30第62回 先端医工学セミナーのお知らせ
4月19日(火)午後6時より先端医工学セミナーを開催いたします。
今回は、東京大学大学院医学系研究科にて脳神経医学を専攻されている金先生を
お迎えし,脳神経外科領域を中心に3次元コンピュータグラフィックスに関する
最新の話題につきご講演を賜ります。
大変興味深いご講演を拝聴できると思います。
どなたでもご参加頂けますので、多くの皆様のご来聴をお願い申し上げます。
演者:東京大学 脳神経外科 金 太一 先生
講演名:脳神経外科領域における3次元コンピュータグラフィックス
日 時:4月19日(火) 18:00~19:00
場 所:West Wing 3階
内視鏡外科手術トレーニングセンター講義室
共 催:福岡医学会
抄録
医用3次元画像は広く一般的に利用されており、もはや3次元画像を作成
できない病院は皆無といっても過言ではないが、その改善・発展には多分の
余地がある。脳神経外科領域における3次元画像の現状の課題を下記に挙げる。
1. 膨大な医用画像データとその統合
脳神経外科領域の医用画像技術の進歩は特に著明で、当施設では1症例あたり
の2次元画像が数千枚となることも少なくない。また、CTやMRIなどの画像検査
装置毎に3次元画像が作成されるので、脳神経外科医は複数の3次元画像を頭
の中で再度統合しなければならない。
2. 3次元モデルの空間分解能
レンダリング法やセグメンテーション処理の問題から3次元画像は2次元画像
よりも空間分解能が劣る。更に医用画像において空間分解能と感度はトレード
オフの関係にあるため、脳動脈の3次元モデル描出は直径1mm前後が限界となっ
てしまう。しかし脳神経外科手術では1mm前後の血管の情報が極めて重要であ
る。
3. 仮想現実・拡張現実への応用
映画やゲームなどと比較すると、医用3次元画像はその構築過程が単純であり、
コンピュータグラフィックス技術が存分に臨床応用されていない。しかしその
一方で最新技術の応用と臨床での有効性が必ずしも比例関係にない。
上記の課題を克服すべく当施設では様々な工夫を凝らして3次元コンピュータ
グラフィックスを臨床応用している。3次元コンピュータグラフィックスが特に
有用であった実際の症例を提示しつつ、医用3次元画像の課題・克服法・展望に
ついて述べる。