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2013/03/22第82回 先端医工学セミナーのお知らせ
第82回 先端医工学セミナーのお知らせ4月5日(金) 先端医工学セミナーを開催いたします。 今回は、倉敷成人病センター 金尾 祐之(かなお ひろゆき)先生をお迎えし、内視 鏡外科手術に関するご講演を賜ります。 大変興味深いご講演を拝聴できるものと思います。どなたでもご参加頂けますので、 多くの皆様のご来聴をお願い申し上げます。 講師:倉敷成人病センター 医長 金尾 祐之(かなお ひろゆき)先生 演題名:立体的骨盤解剖の理解に基づいた腹腔鏡下子宮頚癌手術 ~膜構造に注目することで見えてくる骨盤後腹膜臓器の解剖学的相互関係~ 抄録:触覚の喪失する腹腔鏡手術で根治性を損なわない癌手術を施行するためには膜構 造に沿った層、腔の展開が重要であると考える。子宮頚癌手術においては特に尿 管周囲の膜構造、その連続性に注目する必要がある。神経温存広汎子宮全摘術 尿管、 下腹神経は外側を尿管下腹筋膜、内側を下腹神経前筋膜により囲まれ、尿管下腹 筋膜は梨状筋筋膜、内腸骨血管鞘、基靭帯血管鞘に移行する形でLazko直腸側腔を裏打 ちする。そのため尿管下腹筋膜の連続性を理解し、意識的に穿破することで 下腹神経、骨盤内臓神経、骨盤神経叢の同定、分離が可能となる。また膀胱枝温存の ためには膀胱子宮靭帯後層内の膀胱静脈の単離が必要である。尿管下腹筋膜は膀胱 子宮靭帯後層を覆う膜に移行すると考えられ、膀胱子宮靭帯前層展開後、尿管下腹筋 膜を意識的に切断することで後層内の脂肪、神経、血管が分離でき、深子宮静脈に 連続する膀胱静脈を安全に単離することが可能となる。 準広汎子宮全摘術膜構造に注目すれば、準広汎子宮全摘術は下腹神経前筋膜を温存し たまま子宮を傍子宮組織とともに摘出する手術と定義できる。下腹神経前筋膜は仙 骨子宮靭帯を覆う膜に移行する形で岡林の直腸側腔を裏打ちするため、準広汎子宮全 摘術ではこの腔が展開されることになり、自然と骨盤神経ネットワークは下腹神経 前筋膜に覆われたまま温存されることとなる。 日 時:4月5日(金) 18:00-19:00 場 所:West Wing 3階 内視鏡外科手術トレーニングセンター講義室 共 催:福岡医学会